基礎研修⑨・⑩「支援方法論(アセスメント・面接技術)」

令和61019日(土)コミュニケーションギャラリーリリオにて、神戸学院大学総合リハビリテーション学部 伊藤隆博先生にお越しいただき、医療ソーシャルワーク基礎研修⑨・⑩「支援方法論(アセスメント・面接技術)」が開催されました。当日はあいにくの雨模様の中12名の参加がありました。10301600と長時間に渡った研修ではありましたが、講義・演習・グループワークと濃密な内容であっという間に時間が経っていきました。

 

「アセスメント」ではインテークアセスメントの重要性とポイント、アセスメントの3つの要素と方法の理解、クライエントのストレングスを活用するためのアセスメントの重要性、アセスメントスキルにけるOODAループの活用などについて講義と演習で学びました。

 続く「面接技術」ではバイスティックの7原則に沿った面接の理解、マスク使用下でのコミュニケーションの留意点、5つの基本的応答技法による面接のポイント、そしてソリューション・フォーカスト・アプローチを用いた面接の手法について講義・グループワークで学びを深めました。

 

アセスメントも面接も日常業務で欠かさずに行っているものではありますが、先生のお話からこれまでの自らの技術や思考を顧みて「そうなんだよね」と自信に繋げられたものもあれば、「えー知らなかった・・・(泣)」という未知との遭遇まで、大いに自らを見直す時間になりました。自分がMSWとして従事する中で、この「アセスメント・面接技術」は常にスキルを磨いておくべきものと考えているものでしたので、今回このような研修に参加させていただき、その重要性を再認識し、今回得た学びを早速活用できるよう気持ちを新たにしました。

また私個人としては久しぶりの対面研修、久しぶりのグループワークでした。コロナ禍を経て従来の形が戻ってきたことを実感するとともに、グループワークを通して、職場は違えど同じ仕事に従事する仲間と繋がり、意見交換や情報交換できたことで、また明日から頑張ろうと元気をいただくことができました。

 

講師の伊藤先生、当日研修に携わったすべての方々にこの場を借りて御礼申し上げます。

                         

                         文責 広報部会 佐々木(裕)

 

一般研修Ⅰ「MSW自身の心の保ち方・ストレスマネジメント」

 令和6年9月30日(土)午後、岩手県立大学社会福祉学部 菊地学 先生を講師にお招きし、一般研修Ⅰ「MSW自身の心の保ち方・ストレスマネジメント」の研修が行われました。今回は対面での研修で、13名の参加がありました。
 研修前半では講師の菊池先生よりストレスマネジメントについてご講義いただき、後半では日々の業務に対するストレスやセルフケアについてグループワークを行いました。
 講義では、ストレスの発生プロセスやアドラー心理学の理論について学びました。MSWは状況に合わせて感情をコントロールするべき場面が多く、無理にコントロールするあまり自分自身の感情がどこにあるのか分からなくなる“情緒的消耗”が生まれやすいとも言われているそうです。アドラー心理学では、「人間は無意識に自分が考えた目標に向かって動いている存在である」と考えられています。例えば、「この人がこう言っているのは、こういう目的があるからだ」 と考えることです。MSWの業務の中では、関わる人それぞれがどのような目的があってその行動をしているのか、 と考えることは非常に大切なことだと感じます。行き詰まった時には、対人関係論の考え方を思い出したいと感じました。
 グループワークでは、MSWの皆さんが日々ストレスに感じていることはどのような事か、発散方法などありのままに伝え合い、それぞれの頑張りをお互いに労い合う機会にもなりました。このような機会もまた、ストレスマネジメントの一つであることを実感しました。
 今回学んだことを意識しながら、自分自身が心身ともに健康に日々の業務にあたり、患者さんに対してより良い関わりをしていきたいと思います。
今回ご講義いただきました菊池先生、本当にありがとうございました。
                                      文責 広報部会 和野真鈴

令和6年7月20日(土)第12回ソーシャルワーカーデー記念 第20回ソーシャルワーク三団体合同研修が行われました。

今回のテーマは「LBTQ+を含めた多様性の尊重ー今私たちにできることー」

 

講師は、令和5年岩手県医療ソーシャルワーカー協会会報誌の特集にもご協力くださった「おやおや」代表の加藤麻衣さんです。

 

加藤さんの「このテーマを取り上げて下さったことが大変尊い」という熱いメッセージから始まった講義は、憲法に立ち返り「人権」とは何かという原理原則に立ち返ることをベースにして、人権を侵害しないようにどう行動すればいいのかという方法論をLGBTQ+の方々の事例や、実際身近に起きている事例をもとに解説頂きました。

 

我々ソーシャルワーカーは倫理綱領において、差別や偏見に立ち向かうことが大前提ですが、自分自身の中にある無意識にあるバイアスに気づくか否か、気づかないことがスティグマー差別や偏見につながっていないかという問いかけが会場の一人一人にずっしり響いていたのが印象的です。ソーシャルワーカーとしての自己覚知が重要というのはまさに自分のバイアスに気付くことだと感じました。また、性自認と性的指向の多様性の中で、表現の仕方一つで差別的な言葉に転じたり、プライド自尊心を表す言葉として使われたりと用語の正確な理解がいかに大事かということも痛感し、大変貴重なお話でした。加藤さんの個人としての思いや、考え方を交えて具体的にわかりやすく解説下さり、2時間では足りないと感じたのは私だけではなかったと思います。

 

その後のグループワークもそれぞれのグループで、熱い激論が繰り広げられていました。私の参加したグループでは、研修に参加する理由として、三団体の合同研修には必ず来ている、ライフワークにしているというように、三団体合同研修に思い入れが深い方が多かったのも印象的です。(私もその一人)毎回、分野や領域が違うソーシャルワーカーが一堂に会することで、違いを認めつつも根底に持っている同じソーシャルワーカーとしての熱い思いを会場の皆さんで分かち合える素晴らしい機会です。来年も是非会場でお会いしましょう。実行委員の皆様ありがとうございました。

また、MSW協会広報誌では今回の講演では入りきらなかった内容が掲載されていますので、協会員の皆様はそちらも是非チェック頂きたいと思います。加藤さん、多大なるご協力を頂きまして本当にありがとうございました。 

文責 広報部会 老松さとみ