平成30年9月24日(土)サンセール盛岡にて、定例研修Ⅲ・創立60周年記念式典の記念講演会『岩手県医療ソーシャルワーカー協会60周年の歩み 創成から未来へ』が開催され、会員約40名が参加しました。
記念講演会の講師は攝待幸子氏、山舘幸雄氏、青木慎也氏の3名です。
攝待氏からは、「協会創世記について」をテーマにご講義を頂き、MSW協会創成初期は県医療局の方々がご尽力頂いたこと、保健師の方々も加入されていたことをお話いただきました。
平成18年から社会福祉士の現場実習に病院実習が追加されましたが、現在の社会福祉士のカリキュラムでは、MSWに必要な医療知識が不足しています。そのため社会福祉士法にMSWを組み込み、カリキュラムを変更するなどの対応が必要であると提言頂きました。
山舘氏からは、「協会運営と全国関連団体との関係づくり」をテーマにご講義を頂き、MSW協会の活性化には研修と広報が必須であることをお話いただきました。そのため総会研修に会員の半数60~70名が集まるよう、研修内容を工夫されたこと、役員だけでなく会員皆が協会活動に参加するように部会を立ち上げ、役割分担を明確にした経緯をお話いただきました。
また、「ソーシャルワーカーは何をするかではなく、何のためにするかを考えて動いてほしい」という言葉に感銘を受けました。
青木氏からは、「診療報酬や多職種の介入から今後のMSWの在り方を考える」をテーマにご講義をいただき、退院支援でMSWと看護師が一緒に働くようになった現状についてお話いただきました。
MSWは患者・家族との関係性に働きかけて繋ぐ仕事であること、MSWと看護師それぞれの視点やアプローチを尊重し、協同して仕事をするためにはコミュニケーションを大切にし、自己研鑽に励むことが必要であることをお話いただきました。
また、自己研鑽の機会は自らが求めていくものであり、自分を客観的に見て、謙虚に学び続ける姿勢が大事であることを助言いただきました。
記念講演会に参加して、岩手県医療ソーシャルワーカー協会の歴史を知ることができました。MSW協会があるのは当たり前ではなく、協会の設立や運営にご尽力いただき、その役割を繋いで頂いた先輩方のおかげであることを実感しました。
また、前会長である山舘氏から、「MSW協会活動も仕事と同じように自分を成長させてくれた」とのお話がありました。
県協会では今年度から研修体系を見直し、「初任者からベテランまで全ての会員が現状で立ち止まることなく、医療ソーシャルワーカーとして必要な価値・倫理・知識・技術について学び続ける」ための体系化された研修の機会を構築しています。
退院支援などの業務や、プライベートでの地域での役割が多忙になると、日常生活だけで手一杯になり、研修などに参加する余裕がなくなることがあります。しかし、大変と感じても研修に行く時間をつくれば、自分のなかに新しい風をとりこんだような感覚になりますし、会員同士が交流する機会はモチベーションの維持や向上にも繋がりますので、今後も積極的な活用を期待します。
(文責:広報部会 小森美穂子)